O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

「砂漠」を読んで

砂漠 作者 伊阪幸太郎 出版社 実業之日本社文庫 あらすじ 仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤(いそ)しみ合…

「変な家」を読んで

変な家 作者 雨穴 出版社 飛鳥新社 あらすじ 謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋----間取りの謎をたどった先に見た、「事実」とは!? 知人が購入を検討している都内の中古一軒家。開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間…

「凍りのくじら」を読んで

凍りのくじら 作者 辻村深月 出版社 講談社文庫 あらすじ 藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せてい…

「栞と嘘の季節」を読んで

栞と嘘の季節 作者 米澤穂信 出版社 集英社 あらすじ 猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。 高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだっ…

「殺戮に至る病」を読んで

殺戮に至る病 作者 我孫子武丸 出版社 講談社文庫 あらすじ 永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで…

「GOTH」を読んで

GOTH 作者 乙一 出版社 角川文庫 夜の章あらすじ 連続殺人犯の日記帳を拾った森野夜は、次の休日に未発見の死体を見物に行こうと「僕」を誘う…。人間の残酷な面を覗きたがる者〈GOTH〉を描き本格ミステリ大賞に輝いた乙一の出世作。「夜」を巡る短篇3作を収…

「冷たい校舎の時は止まる」を読んで

冷たい校舎の時は止まる 作者 辻村深月 出版社 講談社文庫 あらすじ ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起き…

「黒猫館の殺人」を読んで

黒猫館の殺人 作者 綾辻行人 出版社 講談社文庫 あらすじ 大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と江南孝明(かわみなみたかあき)は、東京…

「賢者避行」を読んで

賢者避行 作者 藤原七瀬 出版社 角川 あらすじ 人気YouTuber「ナナオは立派なユーチューバー」こと、藤原七瀬による初小説『雷轟と猫』から半年を経て、待望の第2弾!「亜世界からの侵入の危機にある世界を救え」と、主人公・神志那夢丸の前に賢者を名乗る「…

「雷轟と猫」を読んで

雷轟と猫 作者 藤原七瀬 出版社 KADOKAWA あらすじ ある男子高生の歪んだ日常を描くYouTuberによる衝撃の初小説!どれが僕で、どれが仮面なのかわからない――。 進学校に通う高校生の藤原七瀬。優秀だった兄は「異常な父」に反発して家出してしまったが、七瀬…

「invert II 覗き窓の死角」を読んで

invert II 覗き窓の死角 作者 相沢沙呼 出版社 講談社 あらすじ 反転、再び。 あなたは探偵の推理を推理することができますか? 嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、…

「真夜中乙女戦争」を読んで

真夜中乙女戦争 作者 F 出版社 角川文庫 あらすじ 友達はいない。恩師もいない。恋人もできない。好きな人の好きな人は私ではない。夢も趣味も特技もない。InstagramもTwitterもYouTubeもくだらない。なにもかもが眩しく、虚しく、どうでもいい。東京で一人…

「吉祥寺の朝比奈くん」を読んで

吉祥寺の朝比奈くん 作者 中田永一 出版社 祥伝社文庫 あらすじ 彼女の名前は、上から読んでも下から読んでも、山田真野(ヤマダマヤ)。吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、僕はその店に通い詰めていた。とあるきっかけで仲良くなること…

「汝、星の如く」を読んで

汝、星のごとく 作者 凪良ゆう 出版社 講談社 あらすじ ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。 風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二…

「教室が、ひとりになるまで」を読んで

教室が、ひとりになるまで 作者 浅倉秋成 出版社 角川文庫 あらすじ 私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」という、同じ文…

「余命10年」を読んで

余命10年 作者 小坂 流加 出版社 文芸社文庫NEO あらすじ 20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死…

「許されようとは思いません」を読んで

許されようとは思いません 作者 芦沢央 出版社 新潮文庫 あらすじ 「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍…

「15歳のテロリスト」を読んで

15歳のテロリスト 作者 松村涼哉 出版社 メディアワークス文庫 あらすじ 「すべて、吹き飛んでしまえ」突然の犯行予告のあとに起きた新宿駅爆破事件。容疑者は渡辺篤人。たった15歳の少年の犯行は、世間を震撼させた。少年犯罪を追う記者・安藤は、渡辺篤人…

「蜜蜂と遠雷」を読んで

蜜蜂と遠雷 作者 恩田陸 出版社 幻冬舎文庫 あらすじ 俺はまだ、神に愛されているだろうか? ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。 著者渾身、文句なしの最高傑作! 3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンク…

「神様のビオトープ」を読んで

神様のビオトープ 作者 凪良ゆう 出版社 講談社タイガ あらすじ夫の幽霊と暮らすうる波を取り巻く、秘密を抱えた彼ら。世界が決めた「正しさ」から置き去りにされた人々へ、救済の物語。 うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼…

「滅びの前のシャングリラ」を読んで

滅びの前のシャングリラ 作者 凪良ゆう 出版社 中央公論新社 あらすじ 明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」 一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中…

「わたしの美しい庭」を読んで

わたしの美しい庭 作者 凪良ゆう 出版社 ポプラ文庫 あらすじ 小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど…

「ハケンアニメ」を読んで

ハケンアニメ 作者 辻村深月 出版社 マガジンハウス文庫 あらすじ 新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。同クールには気鋭の監…

「インシテミル」を読んで

インシテミル 作者 米澤穂信 出版社 文集文庫 あらすじ 車を買う金欲しさにアルバイト探しをしていた学生・結城がコンビニにあった求人情報誌で見つけたのは、時給11万2000円という破格の好条件の仕事。それは、1週間「ある人文科学的実験の被験者」になるだ…

「同志少女よ敵を撃て」を読んで

同志少女よ敵を撃て 作者 逢坂冬馬 出版社 早川書房 あらすじ 独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺…

「君のいない町が白く染まる」を読んで

君のいない町が白く染まる 作者 安倍祐太郎 出版社 小学館文庫 あらすじ 3月23日、僕は高円寺に引っ越した。駅を出ると、炭に焼かれる焼き鳥の匂いが鼻腔をくすぐり、路上ライブの弾き語りが響いてくる。僕の社会人生活がいよいよここから始まるんだと思いな…

「夏の花火と私の死体」を読んで

夏の花火と私の死体 作者 乙一 出版社 集英社文庫 あらすじ 九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです……。少女の死体をめぐる兄妹の暗黒の冒険。斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、天才少年・乙一のデビュー作 ⚠️注意⚠️ ・あくまで個人の感想です ・ネタ…

「邪馬台国はどこですか?」を読んで

邪馬台国はどこですか 作者 鯨統一郎 出版社 創元推理文庫 あらすじ 5W1H仕立ての「悟りを開いたのはいつですか?」「邪馬台国はどこですか?」「聖徳太子はだれですか?」「謀叛の動機はなんですか?」「維新が起きたのはなぜですか?」「奇蹟はどのように…

「その白さえ嘘だとしても」を読んで

その白さえ嘘だとしても 作者 河野裕 出版社 新潮文庫nex あらすじ あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、寸…

「重力ピエロ」を読んで

重力ピエロ 作者 伊阪幸太郎 出版社 新潮文庫 あらすじ 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアー…