O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「ハケンアニメ」を読んで

ハケンアニメ

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作者 辻村深月

出版社 マガジンハウス文庫

あらすじ

新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。
伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いた
プロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。
同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と
敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。

ファンの心をつかむのは
トウケイ動画「サウンドバック 奏の石」か?
スタジオえっじ「運命戦線リデルライト」か?
今クールも、熱き戦いが始まっている――。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

僕は小説だけでなくアニメも好きなので

最近のアニメブームに乗っかったのかな

と思っていた劇場版の作者が辻村深月さんで

あることに気づき早急に読み始めました

 

最初はただアニメ現場を面白おかしく

書くだけなんだろうなと思って

読み始めましたが

確実に何度も取材しただろうな

という完成度に驚きました

 

そのクールの覇権を狙う

9年前に歴史に残る名作を作り出した

若手天才監督の9年ぶりの監督作品

「運命戦線リデルライト」と

子供のころからアニメを観させてもらえない

家庭で過ごしながら大学生で見た作品に

影響されアニメ界を目指した監督の作品

サウンドバック 奏の石」の

ぶつかり合いの中巻き込まれていく

プロデューサーと

監督と

アニメーターの物語

 

この作品で出てくる昔このアニメ

面白かったなと出てくる

タイトルにほとんど元ネタがなく

この作品の中で作られています

下手にこびない設定ながら

しっかりとオタクの心をつく考えや言葉が

出てくるのでどんな人にでも楽しめる

作品だと思います

 

内容自体はアニメ界に関する

状況や取り巻く環境を

なんとなく知っている人から

すれば特に驚く展開はないです

 

しかしその面白そうなアニメを

全力で作ろうとするスタッフが

ひたすらカッコよく

心を動かされます

 

 

個人的にこの中に出てくる

「運命戦線リデルライト」

というアニメの結末が書かれているのですが

間違いなくこのアニメを観られたら

大好きになるなと思うくらい

最高な作品だったので

是非アニメ化してください

 

覇権アニメ最近はかなり言われている

言葉ですがどうしたら覇権なのか

明確な定義はオタクによって分かれます

円盤が売れれば覇権なのか

経済効果を生めば覇権なのか

内容的に評価されれば覇権なのか

正直どれも正解なんだと思います

 

しかしアニメを作る側が何を求めて

アニメを作るのかそれによって

業界上の覇権は変わってきます

主人公たちはどの覇権に向かっていくのかに

注目しながら読んでみてください

 

アニメオタクの人にも

そうでない人で

この作品の楽しみかたは変わってきますが

きっと誰にでも刺さる作品では

あるはずなので

読んだことのない人は読んでみてください