O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「真夜中乙女戦争」を読んで

真夜中乙女戦争

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作者 F

出版社 角川文庫

あらすじ

友達はいない。恩師もいない。恋人もできない。好きな人の好きな人は私ではない。夢も趣味も特技もない。InstagramTwitterYouTubeもくだらない。なにもかもが眩しく、虚しく、どうでもいい。
東京で一人暮らしを始めた大学一年生の「私」は、夜になっても眠ることができない。やりたいこともなりたいものもなく、無気力な日々の中、「私」はサークルに入り冷酷で美しく聡明な「先輩」と出会う。しかし彼女一人を除いて誰とも馴染めず、すぐそのサークルとも疎遠となる。そんな「私」を唯一潤わしたのは、毎晩のように東京タワーの近くまで歩いて行き、毎晩のようにタワーだけを眺め続ける、そんな無意味な行為だけだった。 講義にもサークルにも行かず、散歩をするか、あるいは図書館で勉強を続けるだけの生活に半ば絶望していた夜、図書館横の喫煙所に佇んでいると見知らぬ男が「火、ある?」と声を掛けてきた。
この男との出会いが、これから起こることのすべて―悪戯、銅像破壊工作、大学破壊工作、暴動、そして東京破壊計画―つまり、最悪の始まりだった。一方、「私」と「先輩」の距離はだんだんと接近していく……。

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

退屈な大学生活から一気に

東京破壊計画へと巻き込まれていく

鋭くて不思議な物語

 

最初は主人公の世界に対する愚痴や

人に対する文句がずっと続いて

あんまり好きな物語ではないな

というかこれは物語なのかと思いました

 

最初のサークルの先輩との出会いまでに

100ページくらいかかり

それまでがずっと主人公の退屈な日常が語られ

とにかく進みが遅いというのが第一印象でした

 

それに世界が悪い、環境が悪い

何かのせいにしたところで

何も変わらない世界で文句だけ言い

何もしない人が僕は好きではないからです

そのため退屈なまま読み進めていくと

テンポもよく、展開が面白くなり

想像を超える東京崩壊へと進んでいきます

 

彼の物語は二人との出会いによって

姿を変えます

 

ひとりはサークルの先輩の女性

もう一人は喫煙所にいた黒服

こっからどう展開していくかは

是非自分で確かめてほしいですが

想像以上に面白かったです

 

腐った世の中をぶっ壊す覚悟と

それを抑えてでも守りたいもの

主人公はこの中で何を成し

何を壊し

何に恋するのか

是非本編を読んでみてください