余命10年
作者 小坂 流加
出版社 文芸社文庫NEO
あらすじ
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。
⚠️注意⚠️
・あくまで個人の感想です
・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します
感想
なんとなく映画が話題だったのと
kindleプライムで無料だったので
読み始めました
正直僕はどっかで見たことある作品を
上手くまとめた模倣絵が
本当に好きではないので
これもそういう作品かなと思ったのですが
全く違っていました
10年後に死ぬとわかっていて
この先をどう生きていくのか
10年と聞けばとても長いようでとても短い
絶妙な期間で何かを成すには短くて
何もしないには長すぎる時間
序盤から主人公がアニメにハマるだけで
恋愛をほとんどしないことにとても驚きました
ありきたりな恋愛作品でなく死というものに
しっかり向き合っているからこそ
こういう表現ができるんだと思います
特にこの作者も重い病気を持って
もう亡くなっていると知ってから
この作品の思いもかなり変わってきました
死という明確な終わりを前に
自分はどう生きるんだろう
それがとても気になりました