O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「冷たい校舎の時は止まる」を読んで

冷たい校舎の時は止まる

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作者 辻村深月

出版社 講談社文庫

あらすじ

ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友(クラスメート)の名前が思い出せない。死んだのは誰!? 誰もが過ぎる青春という一時代をリアルに切なく描いた長編傑作!

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

鏡の孤城でも読もうかなと

最近ふと思ったのですが

そういえば12月にアニメ映画公開を

思い出してなんだかんだ読んでなかった

こっちを読むことにしました

 

かなり昔の作品なのですが

あの辻村深月さんの作品ということで

設定も面白くてミステリー要素もあり、

比較的いろんな人が楽しめると思います

 

内容は閉じ込められた学校の中で

全員が忘れてしまったあの日自殺した

学生を探すという

綾辻行人のAnotherのような内容みたいですが

ただ展開が進んでいくのではなく

ひとりひとりの生徒に過去に何があったのか

あの学際の日にどういう気持ちで挑んだのか

というのが少しずつわかっていきます

 

高校3年生

これから大学受験を控えたピリピリと

した独特な環境の中巻き起こっていく

いじめ、事件、恋愛、嫉妬

何が、誰を追い詰めて

この現象を引き起こしたのか?

そして誰があの文化祭で亡くなったのか?

この部分がかなり繊細に描かれているので

是非読んでほしいです

 

高校の3年の期間というのは

今思い返しても、一番いろんなことを

知って、失敗して、傷つけて、傷つけられて

一番心が成長した期間だったと思います

この3年で自分の人格が形成されるといっても

過言ではないと思います

 

そんな3年間の集大成にして

この後の人生の価値をも変えてしまう

受験期という不安定の季節というのも

この作品のアクセントになっています

勉強は必ず正解がありますが

人間関係には必ず正解がありません

一番正解を求め続けないといけない

この受験期にこんなことに巻き込まれて

僕がホストの立場でもきっと時間を

止めてしまったのだと思います

 

ミステリー要素だけでなく

こういった独特の小説っぽい

心象表現も巧に描かれているので

時間が空いて読む本が決まらない人が

いるなら是非

 

あなたの大切な人の一瞬を見逃さないように