O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「賢者避行」を読んで

賢者避行

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作者 藤原七瀬

出版社 角川

あらすじ

人気YouTuber「ナナオは立派なユーチューバー」こと、藤原七瀬による初小説『雷轟と猫』から半年を経て、待望の第2弾!
「亜世界からの侵入の危機にある世界を救え」と、主人公・神志那夢丸の前に賢者を名乗る「仁・オールランド」が突如現れた。政治家の父を恐れ、受験勉強と恋愛にストレスを抱える日常と、まるでRPGのように世界の危機に立ち向かう非日常が奇妙に交差する。失恋、同級生の自殺、秘密の墓地……心に暗い影を落とす過去を変えたいと願った夢丸が見たものとは?―「賢者避行」
僕はユーチューバーの息子、津村ユニス。幼少期の僕はすべてをコンテンツ化され、そのせいでずっといじめられている。ユニスなんて、どっかのアニメの神みたいな名前をつけた父親は、大人気ユーチューバーだった、そう、昔は。父親の命日。遺品の整理をしようと父の部屋に入った僕は「ユーチューバーの遺書」と題された原稿を発見した。―「ユーチューバーの末裔」

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

ユーチューバーナナオさんの

小説の第二弾に当たる今回の新刊

第一弾だった「雷轟と猫」が最高だった

ため今回もしっかり購入し読了しました

 

小説は「ユーチューバーの末裔」と

「賢者避行」の二つの100ページくらいの

短編にわかれています

 

正直ユーチューバーの末裔の方は

個人的な感想をあげるとするならば

終わり方以外は微妙でした

タイトルの通り、この短編は

有名ユーチューバーの息子の話で

幼いころから親の動画に出され

プライバシーも何も公開されつくした

ネットタトゥーだらけの主人公の

不自由な生活の話

ではあるんですけど

 

内容のほとんどは主人公の父が出版する

予定の本の原稿に書かれていることで

主人公の父がなんでユーチューバーになり、

なぜオワコンになり今この本を書いているのか

というのが内容のほとんどなので

主人公に対して見たかったのは

あまり見られなかったなあと思います

 

しかしラストの展開からのある伏線が

回収される瞬間は最高なので

そこだけでも読む価値はあると思います

 

次に賢者避行は

かなり好きな内容でした

進学校に通う主人公に

異世界からやってきた賢者が

怪物を倒すことを依頼する内容で

 

それにプラスして自殺してしまった少女の

ことも絡んできて

世界の危機に対して自分の保身を捨てられない

主人公の物語

 

世界の安寧のために自分の生活を

簡単に捨てられる物語の世界の住人が

実は異常だったんだ

それをわからしてくれる小説でした