O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「栞と嘘の季節」を読んで

栞と嘘の季節

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作者 米澤穂信

出版社 集英社

あらすじ

猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。

高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

 

リンク

栞と噓の季節 | 米澤 穂信 |本 | 通販 | Amazon

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

古典部シリーズ、小市民シリーズなど

米澤穂信の青春ミステリー作品の中の一つ

本と鍵の季節の続編

 

本と鍵の季節自体が僕は元々大好きだったので

その続編ということでかなり楽しみにしてました

最初に前述しておきますが前作(本と鍵の季節)の

ラスト松倉がどういう選択したのかというのには

メインで触れられることはありません

松倉としての回答らしきものはわかりますが

そもそもこの物語が嘘がテーマとなっているため

それがあっているのかもわかりませんし

本当に少し触れられるくらいなので

もしそれが気になっているという方は

気を付けてください

 

前作が本と鍵がテーマであったように

今作も栞と嘘がテーマとなっています

人を殺すことができるかもしれない栞

に翻弄されていく高校生たちの葛藤と

登場人物のほとんどが意味のある嘘をつき

知られたくない、掘り返されたくない

様々な理由で嘘をつきます

それが事件解決のヒントを意図せず

隠してしまったりして

ミステリーとはまた違った雰囲気が

常に流れていきます

 

そのため高校生のむしゃくしゃした感情が

前作よりピックアップされていて

前作が1話ごとの短編集だったのに対し

今回は1話の長編というもあり

前作よりも深く重いテーマやトリックが

しっかりと描かれています

 

どことなくもやもやとした高校生活

の中で切り札を持つことで少しだけ楽に

なるという感覚が自分のなかでもあって

中学生の自分の病んでるときに

特に殺したい人がいないのに

デスノートが欲しかったり時期と重なって

かなり深入りして読みました

 

去年黒牢城で夢想した米澤穂信先生ですが

読んだことのない人は是非青春系の作品も

読んでみてください

個人的に栞と嘘の季節は前作ほどの感動はないものの

かなり好きな作品でした

それでは