O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「時計館の殺人」を読んで

時計館の殺人

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作者 綾辻行人

出版社 講談社文庫

あらすじ

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島(つのじま)・十角館の惨劇を知る江南孝明(かわみなみたかあき)は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる! 不朽の名作、満を持しての新装改訂版。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

綾辻行人館シリーズ最高傑作と

名高い作品でありながら

十角館の殺人で登場した江南くんが

再登場するというあらすじから

かなり高い期待値で読み始めました

 

読み始めると

舞台の館が旧館と新館に分かれていて

河南たちが入った殺人事件が起きる旧館と

島田たちが過去の謎を解いていく新館との

同時並行で内容が進められていき

読んでいて十角館の殺人

面影を一番感じた作品だったと思います

 

まず読んで観て思ったのは

今までの館シリーズを超えてくるような

どんでん返しを期待して読むとあまり

楽しめないということです

僕もそうですがミステリー作品を

どこか自分の想像を壊してもらうもの

として読んでいる人もいると思います

特に今までの館シリーズにハマった人は

多いかもしれません

しかし今回の時計館の殺人では

そういう要素は薄いですし

今のミステリーを知っている人で

勘が鋭い人ならば

犯人は誰なのかどういうトリック

を使ったのかというのは案外解けて

しまうと思います

 

ではこの作品の何がすごかったのか

それはホワイダニット(なぜ殺してのか)

に集約されていると思います

犯人と犯行方法とはられた伏線が

重なり合ったとき隠れていた

恐ろしい真実がわかるのですが

この真実が本当に良くできていて

すべてが伏線が重なりあう瞬間が

本当に最高でした

 

そして本編を読み終わった後に

新装改訂版解説の米澤穂信さんの

解説のこの作品は誰の物語かという語りを

読んでみるとこの作品の全く違う視点が

みれると思うので解説は絶対読んでください

 

ということで

今までの館シリーズのどんでん返し要素が

好きな人というよりは本当にミステリーを

好きな人におすすめの館シリーズだったと

思います

 

しかし館シリーズの中でも個人的に

一番続編感を感じたので

上下巻があり少し長いですが

今までで一番読みやすいですし

基本的に館シリーズが好きな人なら

誰でも楽しめると思うので

人形館の殺人まで読んだうえで

時計館を読んで観てください

そして是非読むときには

ホワイダニットまで推理して

みてください

 

前回の人形館の殺人の感想

oy002.hatenablog.jp

 

 

それでも僕はやっぱりどんでん返しが

好きなんでまだ個人的の1位は

迷路館の殺人でした

 

次は黒猫館ということで

そろそろ4巻もあるシリーズが

見えてきました

楽しみながらマイペースに

追っていきます