O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「宙ごはん」を読んで

宙ごはん

f:id:OY002:20230329124621j:image

作者 町田そのこ

出版社 小学館

あらすじ

この物語は、あなたの人生を支えてくれる

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

母とはなにか、父とはなにか、子供とはなにか、家族とはなにか

各々が考え、悩み、傷つけ、傷つけられ

正解のない苦悩に悩まされる

それでもおなかは空いてしまうから

美味しいごはんをしっかり食べよう

そんな小説

 

主人公の宙はかなり複雑な家庭で過ごしています

母親になれない母、いない父親

でもそんな母もいろいろ事情があって

子供の辛さ、親の辛さ

両方の辛さがわかってくるからこそ、後半の怒涛の展開に読者も推し潰れそうになります

 

そんな生活の中で彼女たちを勇気づけたのは

一つの料理、そして一人のシェフでした

 

宙の生活を観ていると

自分はいかに恵まれた環境で生まれ、育てられ、

今があることのかというのがわかります

でも今の僕は宙ほど立派な人間ではないし、

ほとんどの人が宙ほど大人びてないと思います

恵まれた環境も大切ですが、それ以上に一人で悩み、迷い、ぶつかり、転ぶ、

そんな経験もきっと大切でだからこそ

子育ては大変で、親になるのも大変なんだと思いました

 

恵まれた国とそうでない国との違いは

ごはんに好き嫌いがあるというのを観たことがあります

ごはんを栄養補給でなく、娯楽としての要素も含まれるのは

恵まれているからだそうです

 

誰もが平等におなかが空き、食事が必要だからこそ

そこに格差が生まれる、

でもだからこそ人は美味しいごはんに幸せを感じるのだと思いました

悩んでいてもおなかはすいてしまうんだから

辛い時こそおいしいものを食べましょう

たくさん食べましょう

「一番いけないのは、おなかが空いていることと、1人でいることだから」

これはサマーウォーズの名言ですが

辛い時こそ誰かとごはん食べよう

そう思える小説でした