O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「爆弾」を読んで

爆弾

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作者 呉勝彦

出版社 講談社

あらすじ

東京、炎上。正義は、守れるのか。


些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

君が悪い容疑者スズキタゴサクが

違う事件で取り調べを受けている間に

爆弾事件の予言をします

 

霊能力によって予言したと語る彼は

不自然の語りの中でまた次の事件を予言していく

その予言を警察は止めることができるか

そういう作品

 

良い意味で気持ち悪い作品という印象が

いまだに残っています

それはスズキタゴサクという人物に対してもだし、

昔警察をやめさせられた刑事に対してもだし、

人の努力を思いを見ないで石を投げる人にもだし、

自分の現状をいつまでも環境のせいにする人もだし、

とにかく人間の汚いところを書くのが物凄く上手いです

 

徐々にストーリーが進むごとに見えてくるのは

社会という世界の中で負けてきた人の姿です

日本という国で住んでいる限り

そんな人たちにも人権はあるし

どんな人でも等しく平等と憲法は言います

 

でも平等なわけありません。

汗水垂らしてお金を稼ぎ、納税をする人

何度も失敗を繰り返し、ようやく報われた人

頑張りすぎて、どこかで壊れてしまった人

親のすねを、かじり続ける人

努力もせずどこかで諦め、下を向いた人

想いもよらない事故で何かを失った人

どう考えたってどこかで人は優劣をつけます

 

そんな世界は正しいでしょうか?

命の価値は平等であるべきなのでしょうか?

(最近今際のアリスを観た影響を受けています)

それを深く考えてしまいました。

 

少しネタバレを挟むので気になる人は読み飛ばしてください

 

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話の中で子供とホームレスの命が天秤にかけられます

もしこれが道徳の授業ならだれも正解など出しませんが

きっとだれもがが子供の方が大事だというと思います。

 

ある種トロッコ問題のような問ですが

きっとトロッコ問題よりも簡単に答えを出せる人が、

多いのではないかと思います

命は、数よりも質が重要なのでないでしょうか?

 

もしトロッコ問題の

一人が、小中高と勉強を頑張り、良い企業に勤め

そこでも成果を出そうと努力してる人で

五人が、生まれてこの方努力をせず

常に環境のせい運のせいにし続け

今も生活保護で生活している人

なら普通のトロッコ問題よりを出せる人が

増えると思います

 

人は平等ではない

その本質はこういう部分を含めて考えると

もっと見えてくるのかもしれません

 

 

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ということで命の価値の話はここまでにして

内容の感想としては、かなりのめり込むほど

ハマりました

 

気持ち悪いからこそ

それを知りたい

スズキタゴサクを知りたいと

思わされる感覚がありました