O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「君のいない町が白く染まる」を読んで

君のいない町が白く染まる
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作者 安倍祐太郎

出版社 小学館文庫

あらすじ

3月23日、僕は高円寺に引っ越した。駅を出ると、炭に焼かれる焼き鳥の匂いが鼻腔をくすぐり、路上ライブの弾き語りが響いてくる。僕の社会人生活がいよいよここから始まるんだと思いながら眠った深夜、幽霊のアカネが現れた。この世を彷徨い続ける彼女はここに置いてくれと懇願してきた。正直に言おう、僕は極度の怖がりである。生きてる人間は怖いが、死んでる人間なんて気絶する。とにかく呪いが怖い僕に選択肢などない。アカネを追い払えず幽霊と同居することになったのだ。その結果、僕はアカネにどうしようもなく恋してしまった。
これは、12月24日深夜に彼女をあの世に見送るまでの、僕の恋の日記であり、彼女を取り巻く人達の話だ。
――アカネ、僕は君をどうすれば引き留められたのかな。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

久々に幽霊少女との恋愛小説でも

読みたいなと思い手を出したのが

この作品でした

 

基本的には幽霊となった女の子に出会う

会社員の男と

手帳を拾ったことから始まる

大学生の女子大生の

物語があることをきっかけに

重なっていくというストーリーで

どこが繋がるのかなと考えながら

読むと良いと思います

 

主人公の会社員の人の

ストーリーの日常的な部分が

想像しやすく現実味もあって

良かったと思います

 

後は出てくるバンドの癖が強いので

バンドが好きな人も楽しめると

思います

 

個人的に思うことがあるとするならば

特出した良さがないというところと

彼女は幽霊でなくてもこの物語は

成立するのではないかということです

まあこれを言ってしまうと

根本否定なのでここまでにしておきます

 

ずば抜けてこれが良いという

良さはないですが

純粋な恋愛小説としては

楽しめると思うので

まっすぐな恋愛小説に

ちょっと隠し味が

あるような作品が読みたい

人におすすめです

 

 

 

 

 

「夏の花火と私の死体」を読んで

夏の花火と私の死体

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作者 乙一

出版社 集英社文庫

あらすじ

九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです……。少女の死体をめぐる兄妹の暗黒の冒険。斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、天才少年・乙一のデビュー作

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

好きな声優グループのDIALOGUE+の

曲「夏の花火と君と青」を調べようと思ったら

その候補欄に夏の花火と私の死体があって

なんとなく気になるじゃないですか

気付いたら買ってました

 

内容はある夏殺された主人公の死体を

どうにかして隠そうとする兄弟のストーリーを

死体の視点から語っていくという

斬新なホラーサスペンス作品

 

死体視点と銘打っておきながら

動かない死体の視点では絶対に

わからない兄弟の視点も描かれていて

最初はおかしいなと思っていたんですが

実はこれ主人公はまだ死体の中にいると

思っていながら実はもう主人公の魂は

天に昇っていてこれは神様視点から

書かれているのではないか

そう考えると

この作品のまた違う部分も見えてきて

面白かったです

 

内容自体は小学生の兄弟二人が

何とかして死体を隠して事件を隠蔽しようと

する話なのですが

関係ないと思っていた設定が

あとから関係してきたり

死体がもう少しで見つかりそうみたいな

ゾクゾク感もかなりあるので

ホラーが好きな人でも

サスペンスが好きな人でも

楽しめると思います

 

もう一つの話優子では

夏の花火と私の死体とはまったく関係ない

話でありながら数年前の鬱ゲーの

ようなストーリーを体験でき

いわゆる賛否両論のあるあの方法で

書かれた作品なので

好きな人と嫌いな人がわかれそうな

作品ですが僕は好きでした

 

 

 

「邪馬台国はどこですか?」を読んで

邪馬台国はどこですか

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作者 鯨統一郎

出版社 創元推理文庫

あらすじ

5W1H仕立ての「悟りを開いたのはいつですか?」「邪馬台国はどこですか?」「聖徳太子はだれですか?」「謀叛の動機はなんですか?」「維新が起きたのはなぜですか?」「奇蹟はどのようになされたのですか?」を収録した歴史ミステリ連作集。軽快な筆致で史上の定説にコペルニクス的転回を迫る、奇想天外なデビュー作。文庫書き下ろし!

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

なんとなくオススメされて

買ってみた小説でしたが

とても面白かったです

 

僕は割と日本史が好きなのですが

今までならった歴史を覆すような仮説が

短編ごとに書いてあって

読み終わった後

あれ本当にそうかもと思えてしまうほど

参考文献を出してきたり

過去の事件を持ってくるので

史書を読んでいる気分になりました

 

ですが歴史書のような読みにくさもなく

短編集なので

かなり読みやすかったと思います

歴史が根本的に苦手という人は

あんまりかもしれませんが

歴史が好きだったり

昔歴史ちゃんと勉強したな

という人なら面白いと

思えるはずなので

オススメです

 

一応読む前にこの後の

時代や人物の歴史を少し

調べてから読むと

もっと楽しめると思います

 

短編の内容をまとめると

ブッタは悟りを開いてない

邪馬台国は東北にあった

聖徳太子推古天皇蘇我馬子同一説

織田信長は自殺だった

明治維新の黒幕は勝海舟

キリストは本当によみがえった

こんな感じになるので

一つでも気になるものがあったら

根拠も含めて主人公の宮田が

解説しているので読んでみてください

 

「その白さえ嘘だとしても」を読んで

その白さえ嘘だとしても

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作者 河野裕

出版社 新潮文庫nex

あらすじ

あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、寸断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

いなくなれ群青の続編

島のルールがわかり

インターネット通販が使えなくなった

階段島でクリスマスの七不思議

大量のクリスマスカード

ヴァイオリンのE線を探す物語の

3つがつながっていく物語

 

相変わらずの主人公七草と

ヒロイン真鍋のほかにも

委員長の水谷や

クラスメイトの笹岡など

周りのキャラのいろんな

一面が見えてきて

前回よりも島の住民に

ピックアップされた作品だったと思います

 

前作よりはミステリー感が強く

この人の正体はこの人みたいな

ことを考える場面が多く

前作よりも青春ミステリー

していたと思います

 

キャラの本心が少しずつ分かっていき

魔女の正体もわかってきて

こっからどうなっていくのか

楽しみに読んでいきたいと思います

 

 

 

「重力ピエロ」を読んで

重力ピエロ

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作者 伊阪幸太郎

出版社 新潮文庫

あらすじ

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

3月に入ってからようやく

暖かくなってきて春を感じるようになり

思い浮かんだのはあの一文

「春が二階から落ちてきた」

この作品を読むために

読んだ方がいいと言われた

オーデュポンの祈りと

ラッシュライフを読み

書店で買ったのは夏だったはずなのに

本棚においてから他の本を読んでいたら

もう3月さすがにそろそろ読もうと

決心し読み始めました

 

春が二階から落ちてきた

この一文を最初に読んだ僕は

春が来ることに対する一文だと

ずっと思っていましたが

本当は春という主人公の弟が

二階から落ちてくるという

一文だったのです

そしてこの一文は春というキャラが

どれだけ特殊でぶっ飛んだキャラなのか

を紹介するための一文であるとわかったとき

この一文が多くの人に語り継がれている

一文である意味がさらにわかった気がします

 

内容は放火事件と関係のある

グラフィティアートの意味と

その放火の目的事件の犯人を捜す

ミステリー作品でありながら

春というキャラの考え方の奥深さも

相まって正しいって何なんだろうと

考えさせられます

 

そしてオーデュポンの祈りや

ラッシュライフで出てきたキャラが

また登場し主人公と話したりする

というのも個人的に嬉しかったです

 

ということで伊阪幸太郎の

初期作3作品を全部読み終わりました

読んだことのない人は他の2作品を読んでから

重力ピエロを読んでみることを

オススメします

「いなくなれ群青」を読んで

いなくなれ群青

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作者 河野裕

出版社 新潮文庫nex

あらすじ

この物語はどうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。あるはずのない出会いが、平坦な高校生活を一変させる。心を穿つ新時代の青春ミステリ。

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎…。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

久々にサクラダリセット

アニメを見返して河野裕さんの

他作品を読んでみたいな思い

この作品を読み始めました

 

階段島という

特殊な状況の中で

平穏に凄そうとする主人公と

この島から抜け出すことを望む

真辺由宇と

階段島に来るまでになくした

大切なモノを見つけて

この島の秘密がわかっていく物語

 

最初からキャラの癖が強くて

みんな何かが欠けている設定が

良く出ていて世界観に引き込まれました

そんな中この島には何が隠れているのか

この島の人たちは何を失ってこの島に

来るのかが気になり割と早いペースで

読み進められたと思います

 

ただ独特な世界観と特殊すぎる状況

真辺由宇という正義感が強すぎる女の子

悲観的過ぎてめんどくさい主人公

あたりが受け入れられないと

読むのがしんどくなってしまうかもしれません

 

青春ミステリーというよりは

青春ファンタジー的側面が強く

ミステリーとして読むというよりは

単純にファンタジーとして楽しむのが

良いと思います

 

個人的には最後の主人公の心情が

わかる部分が好きだったので

満足です

続編も買って読み進めているので

また次の作品の感想もそのうち上がると思うので

そっちもよろしくお願いします

 

 

 

「ルビンの壺が割れた」を読んで

ルビンの壺が割れた

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作者 宿野かほる

出版社 新潮文庫

あらすじ

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。覆面作家によるデビュー作にして、話題沸騰の超問題作!

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

30年前に恋人同士だった男女の

SNSのやり取りだけで

物語が進行していき

過去に隠されたものが

だんだん見えてくる物語

 

まず最初に言えることは

この作品をミステリー作品や

どんでん返し作品と考えながら

読んではいけないということです

前提としてこの作品のどんでん返し要素

がわかる伏線は貼られていません

(僕が見逃しているだけかも)

 

そのためミステリーでも

どんでん返しでもなく

ただ何となく何も考えずに

読むのがちょうどいい小説だと思います

 

基本的に後から過去に起きたことの情報が

少しずつ明らかになっていき

この二人の結婚当日に起きた

彼女失踪の真実がわかるように

なっています

 

正直この真実を面白いと思うか

つまんないと思うのかは

物凄く意見のわかれるところだと思いますが

僕は嫌いではなかったです

 

しかしひとつ言えるのは

期待しないで読んだほうがいいということです

正直小説を読むうえですべてに

共通する読み方だとは思いますが

特にこの作品はその読み方が

重要だと思います

 

ということで

文庫本で169ページで500円くらいで

買えるので軽い感じで

1時間ちょいで読み終わる

ライトな小説として読むにはちょうどいい本

でしたのでポップにはどんでん返しと

ありますが期待せず

軽い気持ちで読んでみてください