O.Yの読書感想文

月平均4冊しか読まないにわかですが、自分なりに読んだ本の感想まとめています。

「みんな蛍を殺したかった」を読んで

みんな蛍を殺したかった

f:id:OY002:20220205015557j:image

作者 木爾 チレン

出版社  二見書房

あらすじ

――みんな誰かを殺したいほど羨ましい。

美しい少女・蛍が線路に身を投じる。
儚く散った彼女の死は後悔と悲劇を生み出していく――


「女による女のためのR-18文学賞」優秀賞受賞者である著者が、原点に立ち返り、少女たちのこころの中に巣くう澱みを鮮烈な感性で抉り出す。

京都の底辺高校と呼ばれる女子校に通うオタク女子三人、校内でもスクールカースト底辺の扱いを受けてきた。
そんなある日、東京から息を呑むほど美しい少女・蛍が転校してきた。
生物部とは名ばかりのオタク部に三人は集まり、それぞれの趣味に没頭していると、蛍が入部希望と現れ「私もね、オタクなの」と告白する。
次第に友人として絆を深める四人だったが、ある日、蛍が線路に飛び込んで死んでしまう。
真相がわからぬまま、やがて年月が経ち、蛍がのこした悲劇の歪みに絡めとられていく――

少女の心を繊細に描く名手による初のミステリ作品

 

⚠️注意⚠️

・あくまで個人の感想です

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

 

感想

最初から主要キャラ七瀬蛍が駅のホームに

飛び込み死んでいることが発覚して

彼女がどうして死んでしまったのかを

過去にさかのぼり語られていく作品

 

まず最初に言えることはミステリ作品では

なく青春作品だということです

確かに蛍の死について推理することも

あると思いますが基本推理しても

わかるようには作られていませんし

後半でこの部分はめちゃくちゃにされるので

青春作品として読んでみてください

 

作品自体は全体的に暗くドロドロとした印象で

生物部に所属するオタク3人が蛍の出現により

今まで耐えてきたものが

耐えきれなくなってしまう

ことが基本的なシナリオで

ほとんどまともなキャラは登場しないので

どんどんと沼にはまっていきます

 

個人的にはこういうストーリーは好きなので

問題はなかったんですが

ひとりひとりの問題が母親や兄弟に

集中している気がしたり

コンプレックスも顔面が醜いが必ず根底に

ある気がしてあんまりしっくりは

来なかったです

 

あとこの作品ではオタクを現実から逃げた人と

書かれているような気がして

オタクヘイトが辛い人にはきついのかなと

思いました

 

作品世界に入り込みやすく

すぐ読めてしまったことは良かったですが

最後の展開がポンポン行き過ぎているのと

さっき書いた通り微妙に納得のいかないところ

が多くあるように思いました

人が不幸になる作品が大好きというひとは

読んで観ると良いかもしれません